1%支援制度
 05年4月より千葉県市川市で「1%支援制度(市民活動団体支援制度)」が始まった。これは納めた住民税のうち1%を納税者自身がその使い道を指示することが出来る制度である。税金と聞くとすぐに、「いったい何に使っているんだ」と多くの納税者は口にするが、その使い道を自分で指示できるから面白い。なお、この制度は全国で初めてのものである。ただ、いろいろと好き勝手に指示することは出来ない。市民活動団体を選んでサポートするのだ。それら団体については、学識経験者や公募市民で構成される審査会の審査を通過したNPO(特定非営利活動)法人であったりボランティア団体であったりする。もちろん、事業内容は公益を図り、地域の発展に寄与するものが基本になる。現在は81団体が審査を通過した。

 この制度を導入した行政側の目的は2つある。ひとつは納税者としての意識や税金への関心を高めること、他方は地域作りの主役を支援すること、の2つである。現在、市川市在住の納税者は22万人いるのだが、今年この制度を利用した者はおよそ6000人である。税金に対する関心がどこまで高まるかについてはこれからだ。応募方法はインターネットや郵送等4通りあるのだが、毎年6月に発行される納税通知書の通知書番号を記入する必要があり、「通知書をなくしてしまった」等々の通知書番号の確認ができないことから面倒になり、申し込みをしなかった人もかなりの数にのぼるらしい(確認できない場合には身分証明書の代替処置があるのだが)。来年の参加者がどれくらいの人数になるのかに注目したい。また、地域社会の発展、地域社会作りは行政だけが音頭を取っても無理であるし、住民だけで行うのにも限界がある。行政と市民の両輪があってこそ発展があるものだ。そういう意味からも行政の手の届かない点を市民の活動団体がカバーし、その団体を市民が支えるというこの支援制度は注目すべきシステムであると言えよう。

同じようなシステムを導入しようとした他の自治体が断念した中で、市川市だけが実施しているのだが、その市川市のシステムとて完璧なものではなく、問題点もある。たとえば、対象の市民団体で活動しているのは女性が大半なのだという。そのほとんどは専業主婦が多いため納税者ではなく、住民税の1%の使い道を指示できないのだが、当人はこの制度に参加して、自分たちの団体を後押ししたい、という要望が出てきている。この要望については、想定内であったのか市川市としては検討する用意はあるようだ。

しかし、税金の使い道の話であるのだから、住民税の1%を指示できる、という制度はあくまでも納税者に留めるべきであろう。こうした女性は家庭の中で納税者である旦那さんとの話し合いを通じて意見を表明すればいいのではなかろうか。家庭も円満になるであろう。

いずれにしても、税金を納める義務ばかりを負っていた納税者が、使い道を支持できる権利を持ったことは評価すべきである。「税金の使い道が」と憤っている人こそ支援したい団体があるのかを考えてみてはいかがであろうか。他の自治体にも波及するのを期待したい。

(2005/07/07川口一晃)


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